宮踊り

  • 祭り:宮踊り(風采踊り)
  • 開催日時:8月15日
  • 開催地:香良洲神社(津市香良洲町3675-1)
  • 生物:オナガドリ
  • 流域:雲出川下流

 

宮踊り
 三重県津市香良洲神社でおこなわれている宮踊りは、氏神に前年の収穫を感謝し、今年の豊漁豊作を祈願する奉納踊りで、約350年前から途絶えることなく伝承し続けられている伝統芸能であります。
 香良洲神社での奉納一番くじによって踊る順番を決めますが、それを字(集落)によって定めるためケンカが始まるので、他郷の人々からは、別名「香良洲のケンカ踊り」といわれることがあります。
 土地の人々は香良洲神社で踊るため、これを「宮踊り」といいます。祭り当日、各区の踊り子は、まず香良洲神社の神前で踊り、その後各区へ戻ってから翌日の午前中まで、不眠不休で踊り続けます。
 踊り子は、頭からオナガドリの羽を用いた鳥毛のカブトという冠をつけ、頭からたれた鳥毛が顔を隠し、衣服は浴衣染めのジュバンを着て浴衣のモモヒキをはき、足はワラジを履いて、肩からカンコを吊るします。
 そのカンコ太鼓にたれる胴巻きは、各区ごとに違い、馬場区であれば「馬」の模様の縫取りの胴巻きといったもので、区の自慢話になるほど立派なものです。

出典:津市観光サイト_https://www.tsukanko.jp/event/157/


〇オナガドリ
 オナガドリはニワトリの品種の1つで、長尾鶏(ちょうびけい、ながおどり)とも呼ばれます。高知県原産で、日本の特別天然記念物に指定され、オスの尾羽が極端に長くなるのが特徴です。
 高知県では、鶏の美しさを競う文化があり、オナガドリもその一環として、昭和初期には県内全体で飼育数が500羽以上に増加しました。雨戸の戸袋で飼って尾羽の抜けを防ぐ、ドジョウなど動物性蛋白質の餌を与えるといった、尾羽を伸ばすための工夫が凝らされました。


〇SDGs学習の発展可能性
 オナガドリは、大正時代に止箱と呼ばれる縦長の飼育箱が開発され、尾が損傷しないように鳥の動きを抑制する飼育法が一般的であり、常に人の管理が必要です。そのため、太平洋戦争中は、オナガドリの数は9羽まで激減し、オナガドリの内種の1つである褐色種は戦時中に絶滅しました。
 つまり恒久的な平和こそ、オナガドリの維持、祭りでの文化の伝承に繋がります。