加佐登神社の春祭り

  • 祭り:加佐登神社の春祭り
  • 開催日時:4月8日
  • 開催地:加佐登神社(三重県鈴鹿市加佐登町2010)
  • 生物:しらとり
  • 流域:鈴鹿川上流

 

〇春祭り
 加佐登神社の春祭りは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の命日とされる4月8日に開催されます。日本武尊にまつわる伝説は数多く、名古屋にも白鳥古墳があり、熱田神宮では「白鳥御陵」と称し、日本武尊の陵としています。
 『古事記』や『日本書紀』によると、日本武尊は能褒野(三重県鈴鹿川上中流)の地で死去したといわれています。この地域には、日本武尊の陵墓と伝えられる古墳がいくつかありますが、明治12年に現在の三重県亀山市にある前方後円墳(現在の能褒野王塚古墳)が、内務省によって「能褒野墓」に治定されました。  
 日本武尊の魂は、能褒野に葬られた後に、大きな白い鳥に姿を変えて、墓から飛び立ち、大和琴弾原(奈良県御所市)、河内古市(大阪府羽曳野市)に降り立ったといわれています。また、これら以外にも全国に白鳥が飛来したとされる地があります。白鳥は、白鷺であるとする説もあります。

出典:亀山こども歴史館_
http://kameyamarekihaku.jp/kodomo/w_e_b/rekishi/kodai/kodaikokka/tenpyo/yamato/page003.html


〇しらとり
 加佐登神社や能褒野神社の祭礼で実際に登場するものではありませんが、ヤマトタケルの白鳥伝説に関連させて、白鷺について考えてみましょう。
 白鷺は、外観はコウノトリやツルに姿が似ていて、体色は灰色から白、黒のものもあり、また季節により体色が変わるものもあります。サギのうち羽が白いダイサギ・チュウサギ・コサギ・アマサギ(アマサギは冬羽のみ)は白鷺(しらさぎ)と呼ぶことがあります。
 サギ科は日本に19種が生息していて、日本では土地に留まる留鳥、冬にトライする冬鳥、夏に渡来する夏鳥の種に分かれます。
 伊勢三河湾流域圏の中でも、特に木曽川、長良川、揖斐川の河口から庄内川河口にかけたエリアは、全国でも有数の水鳥を中心とした渡り鳥の中継地です。白鷺に加えて、カワウ、カワセミ、オオタカ、カルガモなど多くの野鳥が見られます。

出典:身近な野鳥図鑑_https://www.storiedigiocattoli.net/sagi/
出典:一般社団法人 愛知県観光協会_https://www.aichi-now.jp/spots/detail/916/



〇SDGs学習の発展可能性
 人々は古来から、大空を飛ぶ鳥に憧れ、多くの伝説や物語に鳥が登場します。国境を越えて北から南へと移動する渡り鳥にとって、環境豊かな伊勢・三河湾流域圏の湿地帯は、翼を休める重要な中継地でした。工業化と近代化によって激減した水辺環境をいかに取り戻すかはSDGsの課題でもあります。