- 祭り:長良川まつり
- 開催日時:7月16日
- 開催地:神明神社(岐阜県岐阜市長良119)
- 生物:ウミウ、アユ
- 流域:長良川中流
〇長良川鵜飼
長良川鵜飼は、5月11日から10月15日の期間中、ほぼ毎日おこなわれています。鵜飼の期間中、長良川まつりは、神明神社と長良川の畔において、水難防止と鮎供養を兼ねておこなわれ、また、提灯船に乗船した神主による安全祈願や鮎の放流、夜には、盆踊りや灯した提灯船の出船がおこなわれます。鵜飼の終了後には、花火の打ち上げもあります。水難防止には、川で遊ぶ人々の安全であったり、家々が風水害を受けないことが込められており、かつては川で遊ぶことができるのは長良川まつりが終わってからといわれていました。
鵜飼とは、船上で鵜という鳥を紐で操り、魚を捕る漁法のことです。船で焚かれた篝火に反射した魚を鵜が捕らえますが、鵜の首には、きつ過ぎず、緩過ぎずに紐が結ばれており、大きい鮎を飲み込まないようにさせます。捕らえた鮎は、鵜匠(鵜を操る人)により鵜から吐き出され漁獲されます。捕らえた魚が小さい場合、そのまま鵜の胃へと入ります。
鵜飼の歴史は定かではありませんが、鵜飼を表現したとみられる埴輪が出土などから、古墳時代ともいわれています。
出典:長良川うかいミュージアム_岐阜県岐阜市長良51−2
出典:岐阜市_https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/event/1005304/1005309.html
出典:岐阜県の祭り・行事総合調査報告書_岐阜県環境生活部県民文化局文化伝承課
〇ウミウ、アユ
長良川鵜飼では、ウミウという種類の鵜が遣われます。世界に40種程の鵜がおり、日本には4種がいます。ウミウは捕獲したものを遣います。捕獲場所は、現在、茨城県日立市の海岸です。見張り小屋から鵜をかぎ棒に引っ掛けて、小屋へ引き込む「鵜捕り」といわれる方法で捕獲されています。
ウミウは、季節で南北に移動をする渡り鳥(渡りの休息地で捕獲)ですが、アユも一か所に留まらず、季節で生活の場を変える回遊魚です。
秋に川で孵化するアユは、海へ流され、冬の間は沿岸部でプランクトンを食べて過ごします。春になり、岩に付着した藻類を食べながら上流に上り、秋に川を下る中で産卵をおこない、一生を終えます。長良川では、河口から40キロ程の中流で産卵をします。
出典:長良川うかいミュージアム_岐阜県岐阜市長良51−2
出典:河川生態学_川那部浩哉/水野信彦
〇SDGs学習の発展の可能性
アユは川と海を巡る回遊魚のため、流域内でアユに対する障壁が発生すると、影響は流域全体に及んでしまいます。例としては、護岸工事により、流速の増加による遡上の難航、隠れ場や産卵場の減少です。また、回遊の阻止や水の流れを止めてしまうダムや水門が挙げられます。長良川では、水を溜めるために河口に建設された、長良川河口堰が長年話題に取り上げられています。
これらのインフラは、人間の生活や災害から安全に暮らすためには欠かせないものではありますが、流域全体の生態系を考慮しなければなりません。