- 祭り:鷽替神事
- 開催日時:1月7日
- 開催地:岡崎天満宮(愛知県岡崎市中町北野1)
- 生物:ウソ
- 流域:矢作川中流
〇 鷽替神事
岡崎天満宮において、参拝者はウソという鳥を型取った土焼を受け、自宅に祀ります。鷽替神事は、次の年の正月に天満宮の鷽塚に祀っていた土焼のウソを納め、新しいウソを受け、替えることをいいます。
祭神である菅原道真が、ウソを可愛がられたという故実に基づいており、ご神徳を授かろうとウソを型取ったお守りを作ったのがこの神事の始まりといわれています。
菅原道真を祭神としている天満宮では、鷽替えは全国的におこなわれています。木彫りのウソが一般的ですが、岡崎天満宮では、土焼きが古くから用いられています。
このウソを祀り、家の中の一切の災事が、ウソの大きく開いた口によって喰い尽くされ、「うそ」のように消え去り吉事に変わるといわれています。
出典:岡崎天満宮_https://www.tennjinn.com/nenchusaiji/21-2019-05-30-08-42-31/24-usokaesinji.html
出典:祭礼事典・愛知県_愛知県祭礼研究会
〇ウソ
ユーラシア大陸に広く分布しているウソは、日本では本州中部以北の亜高山帯で繁殖します。大部分は冬期になると低い山や丘陵地に移動します。繁殖期の際は、針葉樹林に生息し昆虫や木の実などを食べます。
スズメより少し大きく、「フィー」と口笛のように鳴きかわします。そのため、囀りを楽しむ目的として、メジロやウグイスといった鳥類とともにかつては愛玩動物として捕獲及び飼育されていました。しかし、捕獲により鳥類の保護に好ましくない影響がでる懸念から、狩猟法により1950年には狩猟を目的としない鳥獣を飼養する際の許可制度が開始され、マヒワ、ウソ、ホオジロ、ヒバリ、メジロ、ヤマガラ、ウグイスのこれらスズメ目の鳥が対象になりました。その後、法改正及び飼養可能な鳥の対象の除外がおこなわれ、2007年にはメジロの1種となり、2011年にはメジロは原則として許可されないと改正されました。これにより、愛玩を目的とした鳥類の捕獲は原則として許可はされません。
出典:日本の野鳥_高野伸二 編
出典:環境省_https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort3/index.html
出典:WWFジャパン_https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/5099.html
〇SDGs学習の発展可能性
多くの野生動物が愛玩目的として日本に輸入されています。2021年には輸入当数は40万頭とも推定され、その中には絶滅の危機から規制対象となっている生物も多く含まれています。絶滅の危機から希少価値が上がると、更なる密猟及び密輸を助長し、その生物に対する圧力が高まる可能性もあります。
愛玩動物は、時として人に癒しや心の健康にも効果があり、家族の一員として扱われることもあります。責任を持って飼うという事は大切ですが、責任ある行動として買わないという選択肢も必要な場合があります。環境を守るための法改正も大切ですが、生き物に対する意識を変えていく事が大切ではないでしょうか。