- 祭り:甘酒祭
- 開催日時:10月第2日曜日
- 開催地:高田八幡神社(岐阜県海津市平田町高田1345)
- 生物:ニホンウナギ
- 流域:長良川下流
〇甘酒祭
祭りのお供え物には甘酒とウナギがありますが、祭神の母神が鰻を食べて無事出産されたことや、戦いで子どもにお乳が飲ませられない時に甘酒を飲ましたことが由来といわれています。氏子頭、氏子総代、数人の若者たちが、朝5時の日の出とともに八幡神社から約200m離れた参道の先にある一の鳥居を潜り、御神酒、甘酒、白強飯、鰻、なま粉の供え物を捧げ持ちながら進み、八幡神社へ奉納し、おこなわれます。
祭りの4日前からその年の当番の組が、黄麹(きこうじ)で仕込み作った甘酒を本殿における神事が終わると運ばれ、手桶で参拝者に振舞われます。主に奉納と祈願がおこなわれる朝宮があり、夜には屋台が出て賑わいの場として夜宮があります。
出典:祭礼事典・岐阜県_岐阜県祭礼研究会
〇ニホンウナギ
故事でも土用の丑の日でも、食べると元気になると言われているウナギは、降河回遊魚(こうかかいゆうぎょ)という、海で産卵し川で育つ魚です。ウナギ属の魚は、世界に19種がいるといわれ、日本にはニホンウナギとオオウナギの2種がいます。一般に流通しているのは、二ホンウナギです。
本州から2000㎞以上離れたマリアナ諸島北西部で、卵から孵ると、1~6cmの柳の葉のような形をしたレプトセファルスという幼生になります。北赤道海流に乗って成長しながら、黒潮に乗り換えて生き残った個体のみが、大きさ約5~6cmの細長い円筒形のシラスウナギと変態し、川の河口の近くに到達します。そして、新月の暗い夜に川を遡上して、数年を過ごして成長をします。やがて、海に向かい卵を産み、一生を終えます。
出典:WWFジャパン_https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3671.html
出典:日経サイエンス2019/08 ウナギ絶滅回避なるか_出村政彬
〇SDGs学習の発展可能性
レプトセファルスの飼育が困難なため、養殖のウナギは河口で遡上をするシラスウナギを捕獲して育てます。しかし、シラスウナギの密猟が問題になっており、2020年には特定水産動植物(捕獲に許可)にシラスウナギは指定されました。
1960年代にウナギの完全養殖の研究が始まり、2002年に卵からシラスウナギを育てる事に成功をしました。2014年に国際自然保護連合による絶滅危惧種に指定されましたが、未だにコストを抑えた完全養殖には至っておらず、ウナギは漁獲され続けています。限りある資源を獲る時代から生み出す時代に一刻も早く変わる事が望まれます。