- 祭り:美濃まつり
- 開催日時:4月の第2土曜日・日曜日
- 開催地:八幡神社(岐阜県美濃市上条1238)
- 生物:コウゾ
- 流域:長良川上流
〇美濃まつり
美濃まつりは、「花みこし」「山車」「流し仁輪加」の3部からなる八幡神社の祭礼です。1606 年に金森長近(城主)が城下町を移転した際に、移り住んだ人々と留まった人々が分かれ、各町内が八幡神社に山車や練り物を奉納されていたものが、やがて賑やかなものへと変化していきました。花みこしが用いられる現在の形態になったのは江戸時代の雨乞い行事が起源と言われています。
昨今の美濃まつりは、毎年4月の第2土曜日と日曜日に開催されています。一連の祭りは、「花みこし」を八幡神社に奉納することからはじまります。花みこしとは、神輿に美濃和紙でできた桜色の花を飾った竹を300本近く取り付けたものです。大小約30基の花みこしが、掛け声とともに市内を練り歩きます。 翌日の日曜日には、華やかな6輌の山車と練り物が市街地に繰り出します。また、両日の夜には「美濃流し仁輪加(にわか)」と呼ばれる風刺劇が街角を舞台に繰り広げられ、街ゆく人々を楽しませています。
出典:美濃市歴史的風致維持向上計画_http://www.city.mino.gifu.jp/pages/54161
〇コウゾ
和紙の歴史は長く、奈良時代から木の皮の繊維を使って紙漉きがおこなわれてきました。雁皮(ガンピ)、三椏(ミツマタ)、楮(コウゾ)の木が主な原料です。 美濃で漉かれる本美濃紙の主原料はクワ科カジノキ属の「楮」です。カジノキ属にはカジノキ、ヒメコウゾ、ツルコウゾの3種類がありますが、楮はカジノキとヒメコウゾの雑種で、和紙の原料は、カジノキに近いものが使用されます。 楮は本州中央以西の山地、沖縄、朝鮮、中国に分布しています。岐阜県では、標高900m以下の県南に多く生育しています。かつては、野生の楮が採取されていましたが、江戸時代頃から紙の需要が増えたことにより、各地で栽培されるようになりました。
和紙づくりでは、冬に刈り取った枝を蒸し、剥ぎ取った樹皮を原料とします。切り株の状態となった楮からは、春に新しく芽が出てきます。樹皮は更に黒皮(表面の黒い部分)を取り除き内皮の状態にし、水に浸し不純物を取り除きます。煮るなどの作業によりほぐされた繊維を、水とトロロアオイやノリウツギ等の植物の粘液を糊として加えた液体を漉き、脱水・乾燥をすることで和紙をつくります。
出典:和紙植物_有岡利幸
出典:岐阜県植物誌_岐阜県植物誌調査会
〇SDGs学習の発展可能性
紙という身近な存在も自然の恵みによるものですが、その正体は意外と知られていません。紙の素材として使われる自然資源は世界中に多くあります。紙の歴史をたどり、世界中の自然環境の多様性を学ぶことも魅力的かもしれません。