神戸山王まつり

  • 祭り:神戸山王まつり
  • 開催日時:5月3・4日
  • 開催地:日吉神社(岐阜県安八郡神戸町神戸1)
  • 生物:タイマ
  • 流域:揖斐川上流

 

〇山王まつり
 山王まつりは、岐阜県の神戸町の日吉神社で、5月3日(試楽)・4日(本楽) におこなわれる祭りです。源頼朝が建久年間(12世紀末)に神社の領地を寄進した際に、七基の神輿を奉納したこと等、起源は諸説あります。「神戸山王まつり」として、昭和53 年(1978 年)7 月19 日に岐阜県重要無形民俗文化財に指定されました。
 この祭りの中心は、7 つの区の七基の神輿の全力疾走です。これは4 日の午前0時からの朝渡御(あさとぎょ) と午後5時からの還御(かんぎょ) でおこなわれます。朝渡御では、日吉神社から参道の先にある御旅所(おたびじょ) と言われる神輿を鎮座しておく場所まで神輿が担がれ、還御では御旅所から日吉神社へ担がれます。朝渡御は、「神戸の火祭り」とも言われており、松明に囲まれた中、神輿が担がれます。
 松明は竹を軸にして、可燃部には大麻の幹が束ねられます。茎は枝葉と皮を取り除き乾燥した状態で、縄で3箇所、それぞれ7・5・3 巻きに固定されています。

出典:日吉神社_http://www.hiyoshi-jinjya.jp/sannou/index.html


〇大麻
 アサ科である大麻は、南アジアから中央アジアが原産と言われ、古代に日本に入り、栽培されました。国内で自生しているものは、野生化した帰化植物です。外来生物法では、明治以降に人為的に持ち込まれた生物を中心としているため、大麻は外来種とは認識されていません。大麻と関係のある生物として、アサカミキリという昆虫がいます。国内では、本州、四国、九州に分布しており、戦前には大麻の害虫として知られていましたが、大麻栽培の減少とともに生息数を減らし、絶滅の危機が増大している種( 絶滅危惧2 類)に指定されています。
 大麻の特性として、オスとメスで株が分かれる雌雄異株であり、茎はまっすぐに直立し、高さは1 ~2.5 m程まで成長します。神戸町では3 月末に種を蒔き、7 月末から8 月初頭に刈り取りをします。その神戸町の大麻畑では、THC の濃度が高い大麻が繁殖していないかを毎年調査しています。
 大麻で問題になるTHC(テトラヒドロカンナビノール) は、幻覚等の精神作用を示す成分であり、化学合成されたものは麻薬として規制されています。米国や欧州で薬用として、大麻から抽出されている成分はCBD( カンナビジオール) という成分で、一部の疾患への治療薬として承認及び使用されています。

出典:新分類 牧野日本植物図鑑_牧野富太郎
出典:愛知県_https://kankyojoho.pref.aichi.jp/rdb/pdf/animals/species/koncyu/
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出典:厚生労働省_https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000941499.pdf


〇SDGs学習の発展可能性
 大麻のさまざまな活用がありますが、日本における栽培免許を所持している栽培者の責任は大きく、盗難や種子の管理といった管理負担があります。制度を変えて負担を減らすためにも、THC濃度の低い(またはTHCが含まれない)大麻の普及や開発の可能性も考えてみましょう。